
暑い季節は、通勤や買い物で少し外を歩いただけでも頭皮が汗ばみます。「すぐにシャワーを浴びられない」「髪のべたつきやニオイを一時的に整えたい」というときに便利なのがドライシャンプーです。
一方で、ドライシャンプーだけで頭皮を洗ったつもりになったり、何度も重ねて使ったりすると、粉末や皮脂が残って不快感につながることがあります。夏の頭皮を健やかに保つため、役割と正しい使い方を確認しましょう。
ドライシャンプーは「洗髪の代わり」ではない
ドライシャンプーは、水を使わずに髪や頭皮の余分な皮脂を吸着し、べたつきを目立ちにくくするアイテムです。スプレー、ミスト、シート、パウダーなどさまざまなタイプがあります。
ただし、通常のシャンプーのように皮脂、汗、古い角質、整髪料などを水で洗い流すものではありません。米国皮膚科学会も、ドライシャンプーは皮脂を吸収するものであり、通常のシャンプーと水による洗浄の代わりにはならないと案内しています。
外出先や運動後の応急ケアとして取り入れ、帰宅後は無理のない範囲で通常の洗髪を行う、という使い分けが基本です。

夏のドライシャンプーを上手に使うポイント
■その1:汗が多いときは先に押さえる
頭皮や髪が汗で濡れたまま大量にスプレーすると、製品が均一になじまず、粉っぽさやべたつきが残ることがあります。まず清潔なタオルやハンカチで、こすらず軽く押さえるように汗を取ります。
■その2:必要な場所へ少量ずつ使う
前髪の生え際、分け目、襟足など、べたつきが気になる部分を中心に使いましょう。一度に多く使うと髪が乾燥して硬くなったり、頭皮に刺激を感じたりすることがあります。製品に記載された距離や使用量を守ることが大切です。
■その3:なじませてから余分な粉を落とす
使用後は説明書に記載された時間を置き、指の腹でやさしくなじませます。その後、ブラシやくしを使える製品では、余分な粉を落として髪を整えます。爪を立てて頭皮を強くこすらないようにしましょう。
■その4:頭皮との相性を確認する
香料やアルコールなどが刺激になる人もいます。初めて使う製品は少量から試し、赤み、かゆみ、ヒリつき、乾燥が出た場合は使用を中止してください。敏感肌の方は、香料の少ないタイプなども選択肢になります。
使いすぎると頭皮や髪に何が起こる?
ドライシャンプーを何度も重ねると、吸着成分、皮脂、汗、整髪料などが頭皮や髪に蓄積しやすくなります。その結果、かゆみ、フケのような粉っぽさ、乾燥、ニオイなどが気になることがあります。髪がごわついた状態で強くブラッシングすれば、切れ毛につながる可能性もあります。
ドライシャンプーを使ったからといって、それだけで薄毛になるわけではありません。しかし、刺激や炎症が続く頭皮環境は放置しない方がよいでしょう。通常の洗髪を行っても赤みやかゆみが改善しない場合は、皮膚科などの医療機関へ相談してください。

帰宅後はやさしく洗って、しっかり乾かす
■ぬるま湯で十分に予洗いする
いきなりシャンプーをつけず、まずはぬるま湯で髪と頭皮をよく流します。汗や表面の汚れを落としておくと、少量のシャンプーでもなじみやすくなります。
■指の腹で頭皮を洗う
シャンプーは手のひらで泡立て、爪を立てずに洗います。汗をかいたからといって、1日に何度も強い洗浄を行うと、乾燥や刺激につながることがあります。頭皮の状態に合わせ、やさしく洗いましょう。
■すすぎ残しを防ぐ
生え際、耳の後ろ、後頭部は、ドライシャンプーやシャンプー剤が残りやすい場所です。洗う時間だけでなく、すすぎにも時間をかけます。
■濡れたまま眠らない
タオルで水分を押さえ、ドライヤーは頭皮から適度に離して使います。同じ場所へ熱風を当て続けず、根元から乾かしましょう。
こんなときはセルフケアだけで済ませないで
夏は汗や皮脂によって抜け毛が増えたように感じることがありますが、薄毛の原因は頭皮環境だけとは限りません。分け目が広がってきた、生え際が後退した、髪全体のボリュームが減った、細い毛が増えたと感じる場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
急に円形状に髪が抜けた場合や、痛み、強い赤み、湿疹、かさぶたなどがある場合も、自己流のケアを続けず皮膚科を受診してください。

夏の頭皮ケアを見直し、健やかな髪を育てましょう
ドライシャンプーは、外出先や災害時など、水を使えない場面で役立つ便利なアイテムです。ただし、汚れを洗い流すものではないため、少量を必要な場所へ使い、通常の洗髪と組み合わせることが大切です。
毎日のケアを見直しても薄毛や抜け毛が続く場合は、原因に合った対応が必要です。名古屋中央クリニックでは、男女それぞれの毛髪のお悩みを伺い、状態に応じた治療をご案内しています。セルフケアだけでは改善しにくい薄毛には、HARG+療法も選択肢の一つです。まずはお気軽にご相談ください。
参考資料
American Academy of Dermatology Association「Dry shampoo: Dermatologists’ tips for getting your best results」