部下というのは上司によって幾らでも変化するものです。
ある管理職の元では人材が育つのに、ある管理職の元では人材が辞めていってしまうということもあるでしょう。入ったばかりの人材が使えないのはよくある話ですが、そこから使える人材に出来るかは管理職である上司の責任でもあります。
部下を育てるための基本は「信頼」されることと言えます。信頼を勝ち得ればやる気を起こさせることも、能力を向上させることも容易になっていきます。
ミスに対する反応
人間ですからミスというのはどうしても起こしてしまうものです。こういった時には部下が同じミスを繰り返さないために注意する必要がありますが、この時の対応によって部下からの信頼感というものは変化してきます。
やってはいけないのは「怒る」ということです。
もちろん、ミスを指摘せず野放しにしておくということは絶対に出来ませんが、感情的に怒ってしまうのは信頼関係にヒビを入れてしまいます。
ミスが発生したら「何故ミスが起きてしまったのか」を考え、その根本的な原因を取り除こうとしてみてください。一方的に責任を取らせるということはせず、自分の指示の仕方にも問題が無かったか確認するのが信頼感を勝ち得ることにも繋がります。
部下を認める心
上司と部下という関係ではありますが、上司がすべての面で部下に勝っている必要はありません。部下が手柄を立てたら素直に認め、結果として分かりにくい部分でも日常の中でたまに褒めてみてください。人には承認欲求というものがあり、その欲求を満たす人物に対して好意を抱きやすいものです。人は「褒められて伸びるタイプ」が多数派です。
また部下からのアイディアがあれば、それを検討することも大切です。人は自分の意見が通らない場所ではモチベーションが上がりませんから、採用しないにしても「アイディアを出してくれることが嬉しい」という態度で接するようにしましょう。
一方的に信頼されたいと願うのは難しいことですから、相互に信頼しあえる関係を目指してください。
指示出しには目的提示
「どうせ言っても分からないだろう」と理由抜きで指示を出すこともあるかと思いますが、指示には「仕事(作業)の目的」を添えるようにしてみてください。何のためにやる仕事なのか分からないと「作業をさせられているだけ」という感情が湧きやすく、信頼関係を構築するのは難しいと言えます。
また相手によって指示出しの具体性を変えることも重要です。最初は細かに指示を出していく必要がありますが、相手の能力が上がればポイントだけを伝えて、あとは部下に任せるという形にするのが良いでしょう。進捗や方向性が大きくズレていないかの確認を適度に挟みつつ、進め方などのある程度の判断は部下の裁量に任せてみてください。こちらも承認欲求を満たすための手法と言えます。
部下との会話
上司と部下という関係になると自分のほうが偉いのだという意識が表面化することがありますが、上から目線で相手のことを見下すことは信頼関係の邪魔になります。
仕事の面では上下関係がありますが、それは「人間としての価値」ではありませんから、人としては対等に接しましょう。
また部下とはしっかり挨拶するようにしましょう。当たり前のことですが、意外と出来ていない人が多いのも事実です。人として基本のマナーですから、部下だから別に良いだろうと甘えないようにしてください。
参考サイト
部下に信頼される上司になる3つの条件(新刊.jp)