月別アーカイブ: 2022年5月

季節の変わり目の不調は薄毛にも影響する! 梅雨がもたらす気象病とは?

梅雨入り前後からジメジメと湿気の多い日が続くようになると、つい鬱々した気分に陥りがち。雨が降る前は必ず頭痛がする、めまいがする、古傷が痛むなど体調が悪くなるという方も多いと思います。
特に近年、そんな季節の変わり目の気圧の変化によって体調不良が起きる、“気象病”に悩まされる方が増加中。
薄毛を気にされる方にとっても、自律神経の乱れから起こる気象病は無関係ではありません。
そこで気象病や湿気がもたらす薄毛への影響について解説し、さらに気圧の変化で頭皮環境が悪くならないような簡単なケアにも触れていきます。
 

 

気象病はなぜ起こる?その原因は?

「天気が悪い日は、頭がズキズキする、だるい、肩こりがひどい、頭が重い」などといったお悩みの方は多いと思います。
この症状に共通するのは、季節の変わり目や雨の降り始め、天気の変わる前に出ること。これらの不調は、気象病が関係しています。
気象病は、気候や天気の変化が原因で起こる体の不調のことをいいます。
気候変化の激しい季節の変わり目、梅雨の時期や台風が近づくと特に起こりやすいと言われています。
原因は、気圧や気温、湿度などの大きな変化によって自律神経が乱れることで起こります。
中でも、気圧の変化による影響が大きく、特に“気圧が低下する”際にその症状が出やすいことがわかっています。
これから迎える梅雨の時期は、梅雨前線の上を低気圧が通過していくため、日本列島を覆う気圧は低下しやすくなります。
また大型の低気圧である台風の接近でも気圧は低下しますから、まさに気象病に注意が必要なのは、これからの時期ということになるのです。

 

約5割の方が「気象病」を経験?

漢方薬などの医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社が全国の20代~60代の男女200名に行った気象病の実態調査では、気象病によって体調を崩す方は5割以上という結果でした。
女性が52%とやや多いものの、男女ともに近年注目が集まっている病気になってきています。
また不調を感じると回答した方に、その具体的な症状を聞いたところ、「頭痛」が56.4%と最も多く、「疲労感」、「首や肩の凝り」が続くという結果でした。

 

気象病と薄毛は、どう関係するのか

先にも触れましたが、気象病は、気圧や気温・湿度などの大きな変化で、自律神経が乱れることで起こります。
自律神経の乱れは、ストレスの蓄積や生活習慣の乱れでも起こりますが、体に様々な影響を及ぼします。
例えば、「血流の悪化」や「不眠症」、「免疫機能の低下」などで、結果的にそれが薄毛の要因となる恐れがあります。
梅雨時の気圧の低下で心配される気象病=自律神経の乱れ。それがどんな悪影響を及ぼすのか詳しく見ていきます。 

 

血流の悪化

自律神経が崩れると、血管の収縮が起こり、血流が悪くなります。
血行不良になるのは、手足などの末端だけでなく頭皮も同じこと。頭皮の血流が滞ることで、毛髪を作る毛母細胞に栄養が届きにくくなり、発毛に支障が出るというわけです。
自律神経には、昼間活発になる交感神経と夜に優位に働く副交感神経があります。
昼には、交感神経が活発になり内臓や筋肉に血液が多く送られ、皮膚や毛根には少なくなります。
夜は逆に副交感神経が働き、皮膚や頭部や手足などの末梢の血流が良くなります。このリズムが乱れると、髪を作るための血流が滞ってしまいます。

 

不眠症


梅雨に気圧の変化で自律神経が乱れ、交感神経が優位の状態が続いた場合は、睡眠への影響が心配されます。
交感神経が働くと覚醒状態となり、なかなか眠りにつきにくくなるためです。
眠りの質が低下すると、成長ホルモンの分泌が減少します。成長ホルモンは髪の成長にとって大切なため、これが損なわれると薄毛の進行につながることがあります。

 

内臓機能の低下

自律神経の乱れは、内臓の働きも低下させます。
内臓機能の低下はタンパク質やその他の栄養素の吸収が悪くなってしまいますから、髪を作る成分が不足しがちになって、健やかな髪の毛が作られにくくなります。

 

湿気でも気象病と似た症状が起こる!

東洋医学では、気候による体調の崩れをとても重要視しています。
気候からの悪影響には、低気圧による雨があり、特に梅雨の過剰な”湿気”による「湿邪(しつじゃ)」が原因で、不調が起こるとも考えています。
漢方では、体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成され、これらのバランス良いと、自律神経が整い心身の健康が保たれると考えています。
しかし梅雨は湿度が高く、湿邪によって体の水の巡りが滞りがちで、頭を締め付けられるような頭痛や倦怠感、冷えなど、まさに気象病と同じ症状が起こりやすくなると考えられています。

 

梅雨時の不調そのままにしない、頭皮の血流をアップする耳マッサージ

このように梅雨時は、気圧の低下や湿気などで自律神経が乱れて、気象病の症状が現れやすくなり、ひいては薄毛の進行にもかかわるということが、お分かりいただけたと思います。
不調が起こるタイミングより前に血行を良くしておけば、気象病の症状をやわらげることができます。  
おすすめは、耳の血行を整える方法です。ツボ押しや温熱など様々ありますが、ここではセルフケアでどこでもでき、効果も期待できる「耳マッサージ」をご紹介します。

 

【耳マッサージ】

1) 両耳の上を軽くつまみ、5秒上に引っぱります。
2) そのままさらに5秒横に引っぱります。
3) 両耳の下を軽くつまんで5秒下に引っぱります。
4) 両耳の真ん中をつまみ、横に引っぱり、前から後ろへとゆっくり5回まわします。
5) 手で両耳を包むように曲げて、5秒間キープします。
6) 両耳を手のひらで覆い、円を描くように前から後ろへゆっくりと5回まわします。  

 

【お腹と足の裏のツボ押し】

血行を良くすると同時に、水分の巡りを良くすることも、梅雨時に自律神経のバランスを保つ方法としては大切なことです。

 

<おなかのツボ押し>
おへその1cm上には水の巡りを良くするツボがあります。ここを両手の人差し指と中指を重ねてゆっくり押し揉んでみましょう。
<足のツボ押し>
土踏まずの上、足の指を曲げた時に凹むあたりのツボは、体のエネルギーをアップさせてくれる場所。両手で脚を支えて、親指を重ねて押し揉んでみましょう。

 

「水」の巡りを整えて冷え取り

体の「水」の巡りを整えることは、内臓機能の低下防止になり、冷えや血行の悪化も防いでくれます。
体に溜まった水分の排出を促すには、保温を心がけることが大切です。ぬるめのお風呂にゆったりつかり、水分の摂り過ぎには注意しましょう。
梅雨には特に水分を体内に滞らせないようにすると、頭皮環境にも良いといえます。
水分の循環を良くする食材は、大根、梅、りんご、しょうがなど。水の滞りを解消して、全身の循環を良くします。
またそら豆、枝豆、小豆などの豆類も余分な水分を排出させる食材です。キノコ、海藻類も同様の働きがあるため積極的に食べるようにしてみて下さい。

 

まとめ

気圧の変化が激しい梅雨には、特に自律神経の乱れに注意していただくことが、結果として薄毛予防のケアにつながるということをお伝えしてきました。
また湿気から水分が体内で滞ると内臓が冷え、胃腸も不調を起こしやすくなります。
高温多湿な日本の梅雨には、頭皮のべたつきやニオイが気になりますが、こういった気象病の症状にも意識を高めながら、外と内の両面からトータル的にケアをしていくことも大切になってきます。