仕事がらみの飲み会に、恋人や気になる女性との会食も増えるこれからのシーズン。
その場の雰囲気と美味しいお酒につられ、つい食べ過ぎてしまった!と、次の日、後悔した経験がある方も多いのではないでしょうか。
そんな時、暴飲暴食した罪滅ぼしに「食事を抜く」ということをやってしまいがちですが、これは食べ過ぎをリセットする方法としても、薄毛予防の点からいってもあまり良いことではありません。摂取カロリーを減らして調整するという方法は、むしろ逆効果になる可能性があります。
そこで今回は、食べ過ぎた後なぜ断食してはいけないのかをお伝えし、理想的なリセット方法について解説していきます。
食事を抜くとなぜ髪の毛に良くないのか?
食べ過ぎた翌日の朝食は特に、前日のカロリーオーバーを帳消しにしようと、「何も食べない」という方も多いですよね。
これがどうして抜け毛や薄毛につながっているのか。その理由は、大きく分けて「血糖値の急上昇」と「脂肪燃焼のしにくさ」の2つにあります。
血糖値の急高下が、脂肪を増やし糖化を招く
お腹がすいた状態が長くなれば、次の食事を摂った際に血糖値が急上昇します。そうなると今度は血糖値を下げようと、インスリンが大量に分泌されることになります。
ただインスリンは、“肥満ホルモン”とも呼ばれ、糖を脂肪に変える働きがあり過剰に分泌されると脂肪がつきやすくなってしまうのです。
また血糖値の急上昇&急降下は、体内のタンパク質の糖化を進行させるという報告もあります。糖化は、頭皮の真皮層のコラーゲンを変性させ、弾力が失われ血行不良や新陳代謝の低下を招く原因です。
そして血行不良によって頭皮に栄養が行き届かず、髪を作る毛母細胞の働きが弱まって抜け毛や薄毛を招きます。
食べ過ぎた後で食事を抜くということが習慣になっていれば、脂肪がつき頭皮の皮脂分泌も多くなることになり、それが抜け毛を招く原因になるといえます。
食事の吸収が増し、太りやすくなる
また食事を抜くと血糖値の上昇だけでなく、次の食事の吸収が良くなってしまいます。
これは、体がいつ食べ物が入ってくるか分からないと判断し、それに備えて栄養を溜め込もうとするためです。
こうして脂肪を蓄えやすくなり、太りやすい体を作ることになって、先に述べたように頭皮への悪影響をもたらすことにつながります。
さらにもうひとつ、脂肪が燃焼されにくくなるというデメリットもあります。
肝臓の働きを低下させ、体温が上がりにくい
食事の時間が空くとその間、体は筋肉のタンパク質や体脂肪を分解して、脳や赤血球のエネルギー源にします。
肝臓がタンパク質や脂質をブドウ糖やケトン体という物質に作り変えるのですが、その際に際にアンモニアが増え、肝臓の負担が増します。
代謝エネルギーを生み出す肝機能が下がり、基礎代謝も落ちることになるので、安易な断食は危険です。
また一回食事を抜いてしまうと、消化・吸収にエネルギーが使われないので体温が上がりにくく、頭皮の血行の悪化になるといえます。
プチ断食が与える頭皮へのデメリット
暴飲暴食しても後で食べなければ良いと思っている方は要注意、ということがお分かり頂けたでしょうか。ではさらに、断食することで起こる頭皮への影響を解説します。
皮脂が毛穴に詰まり雑菌が出やすくなる
食事を抜いた後の食事では、いつも以上に糖質を吸収しますから、その余ったブドウ糖は中性脂肪と変わり体脂肪が蓄積されてしまいます。
体脂肪が増えると皮脂の分泌が増え、それが頭皮の毛穴に詰まって雑菌が増えることに。頭皮のフケやかゆみ、炎症が起こったりするトラブルのほとんどは、この雑菌が原因です。
そして雑菌が頭皮で繁殖してしまうと、それは脱毛症を引き起こしてしまいます。
ホルモンバランスの乱れが悪影響
血糖値が急に上昇すると、交感神経が刺激されてたちまち自律神経が乱れます。
自律神経が乱れるとホルモンバランスも崩れてしまうため、皮脂の過剰分泌のほか炎症やフケ・かゆみなどのトラブルにもつながり、ひいては薄毛や抜け毛の原因を作ってしまうのです。
そのため、安易に食事を抜くことは頭皮や毛髪の維持にも悪影響を及ぼすといえるのです。
薄毛予防には、食べ過ぎた翌日も朝食は抜かない!
食べ過ぎた翌日の朝も食事を抜くことなく、胃腸に負担をかけにくいスープや雑炊など軽いものをお腹に入れるようにしましょう。
基本的に物を食べてからそれが脂肪に変わるまでには2、3日ほどかかりますので、その間に、余分なカロリーを上手にリセットする方法をご紹介します。
食べ過ぎた次の日の過ごし方
起きたらまず水を飲む
起床後には、すぐ常温の水か白湯をコップ1杯飲んで、眠っていた腸の働きを促しましょう。朝に飲むとお通じの改善やスムーズな消化吸収、むくみ改善などの嬉しい効果がたくさんあります。
なお、日中も意識して水分を摂りましょう。水分が足りない体は代謝が落ち、太る原因にもなります。飲む水の量は、1日に1.5~2Lを目安に。
野菜、キノコ類中心の低カロリーの食事を
朝食を抜くのではなく、野菜やキノコ類を使ったカロリーを抑えた食事を摂ることが大切です。温かい野菜スープに卵などのタンパク質を一緒に摂るのがおすすめです。
また一日を通して食物繊維、カリウム、青魚などの食材を積極的に摂りましょう。野菜にはカリウムや食物繊維が豊富に含まれていて、余分な水分を排出し便通のサポートしむくみにも効果的です。
マグロやカツオ、アジ、サバといった青魚は、代謝をアップして脂肪燃焼を助けるEPAを豊富に含んでいるためおすすめです。
炭水化物を控え、タンパク質を多めに
糖質の多い米や麺類などの炭水化物は普段より減らし、その分をタンパク質豊富な魚類、豆腐などの大豆製品を食べましょう。タンパク質は代謝を上げて脂肪の燃焼を助けてくれます。
発酵食品を積極的に摂る
また発酵食品は腸の環境を整えるため、味噌汁や納豆など刺激の少ないものを選んで食べましょう。腸の働きを活性化させ代謝を上げるため、便秘改善が期待できます。
なるべく体を動かすように
前日に摂りすぎたカロリーを消費するためには、積極的に動くことも意識しましょう。
エスカレーターではなく階段を使う、一駅前で降りて歩くなど、なるべく動くことを心掛けて下さい。
歩く際には、腕を後ろに振りながら大きめの歩幅で速足で歩くと、さらにエネルギー消費に役立ちます。
間食はしないこと
お腹が空いている時、つい手軽に食べられる菓子パンやスナック菓子に手が伸びてしまいがちですが、炭水化物中心のものを食べると、血糖値が大きく上昇してしまうため、避けましょう。
どうしても小腹がすいたら塩分なしのアーモンドなどのナッツ類か、カカオ70%以上含有のチョコレート、噛み応えある昆布やワカメなどの低カロリーなものを。噛むという行為が満腹中枢が刺激して、食欲を抑えることができます。
夜は快眠を心がける工夫を!
質の良い眠りは代謝を上げ、脂肪の燃焼を助けてくれます。
入浴後の腹筋やスクワットなどの軽い筋トレで代謝を上げると、自律神経が整ってスムーズな入眠に導かれます。
老化の元になる酸化を防ぎ、内臓脂肪を分解する働きのある成長ホルモンが、最も多く分泌されるのは入眠から3時間といわれています。
この時間帯に熟睡できていれば、食べ過ぎた分をリセットし、髪を作り出す細胞もしっかり働くことができるのです。
まとめ
食べ過ぎた翌日のプチ断食は、薄毛に悪影響を及ぼす危険があることをご紹介してきました。今回のお伝えしたリセット方法を参考に、「昨晩、暴飲暴食してしまったから今日の食事は抜く」といった極端な食事制限はせず、できるだけ規則正しい食習慣に戻すことを意識してみましょう。
2日3日の間に規則正しい生活習慣や栄養バランスの良い食事を心掛けることが、スムーズな消化や効率的な脂肪燃焼を助けてくれます。それがひいては頭皮環境を整え抜け毛防止にもつながっていくはずですよ。