薄毛に悩む方ならば「男性型脱毛症」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
しかし、その実態について説明できるでしょうか?
男性型、というくらいですから、男性であることそのものが原因で脱毛症になるのだろうという推測は成り立ちますよね。
しかし、問題はそこからです。
男性の持つどのような特徴が「脱毛症」の理由になるのか、ご説明します。
男性ホルモンが導く「薄毛」が男性型脱毛症
男性ホルモンが薄毛スイッチを押して脱毛症のきっかけを作るのが「男性型脱毛症」の特徴です。
男性ホルモンにはテストステロン、ジヒドロテストステテロン、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステロン、アンドロステンジオンなどがありますが、テストステロン、ジヒドロステロンに関しては酵素によって還元された同じ物質から出来ています。
テストステロンが還元酵素「5αリダクターゼ」によってジヒドロステロンに変換されると、もともと成長因子として活躍していたテストステロンはより強力な働きを示すようになるのです。
その結果、毛乳頭にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)に作用してヘアサイクル異常を引き起こしてしまいます。
通常のヘアサイクルでは、退行期、休止期、成長期があり、成長期は2年から6年ほどかけて早期、中期と進んで退行期に至ります。
しかし、ジヒドロステロンが作用してサイクルが乱れると、この成長期が数か月から1年しかもちません。
そのため、発生する毛量を脱毛量が上回って頭髪密度が低下し、薄毛となっていく、と考えられます。
男性ホルモンという男性ならだれもが持つ成分が原因であるため、AGAを患う率は高く、薄毛人口の内約8割がこれに該当するというデータもあるほどです。
AGAの対策は病院で行うしかないのか?
「andorogenetic alopecia(男性ホルモン型脱毛症:略してAGA)」を発症する方は、通常に比べて遊離テストステロンの値が高い方が多いようです。
現在確実にAGAの進行を遅らせたり、あるいは改善したりという対策は病院で行うほかないと言われています。
しかし、実はマラソンなどの適度な有酸素運動を行うとこの遊離テストステロンの値が下方抑制されるということが知られており、その結果還元されて精製されるジヒドロステロンの量も減るようです。
薄毛が気になる。
けれどまだ病院にかかるような気持ちにはなれないという方は、日ごろから少しずつ運動量を増やすようにするといいかもしれません。
また、有酸素運動以外にも筋力増強を目的としたウェイトトレーニングでも同様に遊離テストステロン値が下がったというデータもありますので、時間や体力、好みに応じて運動の種類を選ぶといいでしょう。
薄毛が気になる時、もっとも避けるべき要素は気になるからと心労を重ねることです。
過剰なストレスもまた薄毛を進行させる要素ですので、なるべく悩みを貯めないようにして下さい。