HARG+療法(ハーグ) > 今月の旬なニュース一覧 > AGAの治療にステロイドが有効って本当?
ステロイドと言えばアトピー性皮膚炎などの治療薬として用いられることの多い副腎皮質ホルモンのひとつです。皮膚炎の治療薬だけではなく抗炎症剤としても使用され、皮膚疾患の多くに処方される薬でもあります。
ただしステロイドには強い副作用があります。使用には注意が必要で、医師の監督外の環境で使うことは基本的には推奨されません。
このステロイドがAGAに対して有効であるというウワサが流れているのですが、それは本当なのでしょうか?
AGA(男性型脱毛症)を頭皮のトラブルととらえ、頭皮に問題があるのであればステロイドが効果があるのではないかと考える方もいるようです。
しかし、これは誤解です。
AGAとは男性ホルモンを原因とする、男性に多発する脱毛症です。その根本的な原因となっている男性ホルモンであるDHTをステロイドでは抑制することができません。
AGAに有効だとされている薬のひとつにプロペシアというものがあります。
プロペシアは前立腺肥大の治療薬として開発されましたが、その副作用として増毛が認められ、本来の用途とは別に発毛剤として改めて開発されたという経緯があります。
AGAにステロイドが有効であるというのはこのプロペシアにステロイドが配合されているという誤情報が出回ってしまったことに原因があるようです。
これもまた誤情報であり、プロペシアにはそもそもステロイドは含有されていません。
男性ホルモンの作用であるAGAに対してステロイドが使用されることはまずありませんが、薄毛や脱毛にステロイドが効果を発揮するケースもあります。
ステロイドは免疫を抑制する働きがあり、自己免疫疾患による脱毛などに対しては効果があるケースも認められるからです。
ただしこれは医師の監視のもとに行われる治療であり、医学的知識のない個人が行っていいものではありません。最悪のケースとしては頭皮や毛根に不可逆なダメージを負い、発毛の可能性が完全に絶たれてしまう場合もあります。
前述の通り、ステロイドは皮膚炎などに対しては有効な成分を多く含んでいますが、同時に強烈な副作用を持つものでもあります。
どうしても必要なときにはとても助けになってくれる薬ではありますが、できる限り使用を避けることが勧められてもいます。
いくら薄毛が気になるといってもインターネット上などの不確かな情報に惑わされて、不必要な薬品を摂取してしまうことなどのないように気を付けたいものですね。